性感染症
主に性行為によって感染する病気のことを総称して「性感染症」と呼びます。
なお、この病気は、感染者の粘膜などが触れ合うことで感染するので、一般的な性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスなどの類似行為によって罹患することもあります。
性感染症のなかには、典型的な症状がみられるものだけでなく、初期の段階では目立った症状がみられないものもあります。
そのため、感染後も性行為を繰り返し、知らず知らずのうちに感染が広がるケースも少なくありません。
下表のような症状がある方は、性感染症のこともあるので、なるべく早い段階で当院を受診するようにしてください。
このような方は性感染症を発症していることがあります
- 性器が腫れている
- 性器がヒリヒリする
- 性器にブツブツが生じた
- 性器から膿のような粘液が出る
- 下着に見慣れない汚れが付着するようになった
- おしっこをする時に痛みや違和感が伴う
- 性器周辺にかゆみがある
- おりものの量が増えた
- 性器のかゆみがある
- 性器のにおいが気になる
- 外陰部に痛みがある など
主な性感染症
- 淋病
- クラミジア感染症
- 梅毒
- 性器ヘルペス
- 尖圭コンジローマ など
淋病
淋菌と呼ばれる細菌に感染することで発症する病気です。
淋菌を保有している患者さまとの性的接触から2~5日ほど経過した後、尿道や性器、喉などの部位で症状がみられるようになります。
ただし、男性の場合は強い尿道炎の症状が引き起こされるのですが、女性の場合は目立った症状がないため、患者さま自身が自覚せずに性行為を繰り返し、感染が広がることもあります。
なお、患者さまによっては、外陰部のかゆみ、不正出血、おりものの悪臭、尿道からの排膿、排尿時痛などが現れることもあります。
クラミジア感染症
クラミジアという細菌が原因となり、罹患者との性交から1~3週間の期間を経て発症します。
この病気も、初期段階では自覚症状がみられないことがあるのですが、段々と不正出血、下腹部痛、おりもの増加、頻尿、排尿時痛などが起こります。
クラミジア感染症が慢性化すると、子宮や卵巣にも炎症が起きるようになり、不妊や異所性妊娠の原因にもなります。
病状を進行すると、骨盤腹膜炎や肝周囲炎などのリスクも高くなるので、注意が必要です。
梅毒
梅毒トレポネーマという細菌に感染することで発症する病気です。
昭和初期から中期にかけて蔓延し、罹患率が高かったのですが、その後は急激に減少し、一時は「過去の病気」と言われました。
しかし、近年は再び急増しており、とても注意が必要な性感染症になっています。
梅毒も、ほかの多くの性感染症と同じように、性行為中に口内や膣などの粘膜から原因菌が侵入することで感染し、約1ヵ月の潜伏期間を経て発症します。
なお、この病気は進行段階によって第一期から第四期までに分類されます。
このうち第一期は、陰部にできものやしこりが現れるのですが、放置をしていても数週間が過ぎると、できものなどは消えていきます。
そのため、安心される患者さまもいらっしゃるようですが、病気が治ったわけではありません。
原因となっている細菌が残り続けるため、感染から3ヵ月程度が過ぎると全身に細菌が広がっていき、様々な部位に発疹がみられるようになります(第二期)。
多くの場合、この段階で医療機関を受診し、お薬による治療を開始することになりますが、治療をしなかったとしても数週間~数ヵ月で症状が消失するため、放置される方も一部にいらっしゃいます。
この場合は、とても深刻な状態に陥りかねません。
第二期から数年~十数年程度が経過すると、ゴムみたいな感触の腫瘤が全身に発生します(第三期)。
さらに進行すると、大動脈瘤や慢性髄膜炎、神経障害などの病気がみられるようになり、最終的に死亡原因となります(第四期)。
性器ヘルペス
性的接触によって単純ヘルペスウイルス1型や2型に感染し、2~10日の潜伏期間を経てから発症します。
1型に感染した場合は口唇に症状がみられますし、2型では性器に症状がみられます。
具体的には、患部にかゆみのある赤いブツブツや水ぶくれができたり、潰瘍がみられたりします。
患者さまによっては、外陰部の強い痛み、排尿困難、発熱などの症状を伴うこともあります。
なお、こうした症状は、しばらくすると治まることがありますが、原因となったウイルスは体外に排出されることはなく、潜伏したままとなります。
そのため、免疫力が低下すると再び症状が出現することがよくあります。
尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルスが原因となる感染症であり、主に性行為によって罹患者との粘膜接触で感染します。
その後、小陰唇や膣口、肛門周囲などに特徴的なイボが現れます。
放置していると、どんどん広がっていくようになりますが、痛みはほとんどなく、せいぜいかゆみや軽い異物感程度です。
ただし、性行為によってパートナーの方に感染を広げてしまったり、妊娠・出産に支障をきたしたり、一部にがん化のリスクを高めたりするケースもあるので、きちんと治療を受けることが大切です。